10年前に憧れていた銀色夏生さんに、ようやく近づける「時代」が来た。

銀色夏生の「つれづれノート」をまた読み始めました。

銀色夏生という詩人の毎日をひたすら綴ったエッセイで、その日にしたことや思ったこと、家族との会話などが淡々と書かれています。

1日あたり、400字前後。

すっごく好きだったんです。大学〜社会人になりたての頃によく読んでいました。

本気で憧れていました。銀色夏生の生活に。

当時の私には、こんなふうにうつっていたのです。

行きたいときに、行きたい場所に旅をして、

食べたいときに、食べたいものを食べて。

お金を気にすることなく、したいことを全てしている。

(そして・・・それを本にして出して生活している。)

そんなこと、天才しかできないと思っていました。

こんなふうに自由に、好きなことをして、しかも豊かに生きるのは、ほんの一握りの天才のみ。

天才じゃない人が文章を書く仕事というのは、ライターだと。

私は、銀色夏生ではなく、編集者・ライターとして社会人になりました。

(人の話を聞いては、文章にするという仕事。同じ「書く」でも、使う筋肉が全然違うのですよ)

そして、いつしか銀色夏生は「別世界の人」になり、

本を読む時間をあまりさくことができず、離れていきました。

趣向がビジネス書に傾倒していったというのもあります。


久しぶりに読んでみようか、と思ったのは、ブログを書き始めたから。

そこでふと思ったのが、銀色夏生的な生き方って、ズバリ、ブロガーではないのか、と。

当時、自分の生活について書いた文章でお金持ちになれるのはエッセイストだけでしたが、

インターネットが発達した現在、自分のメディアを持ち、日常を発信することを軸にビジネスをしている人がいるんですよね。

今ならまだ、凡人の私でも、目指せるのではないのかとすら思ったり。(超楽観的思想!めでたいやつ!)

そんな目線で読み進めています。

銀色夏生の真骨頂は、ほぼ写真がないのに、情景がありありと伝わってくるところにあるんでしょうね。

ふとしたときの感情や、会話を、ちゃんと残している。すごく近いところで彼女の生活を、頭の中を見ているような気になれるんです。

「つれづれノート」をブログにしたらたぶん、「役立つ記事」ではないので、なかなかPVは上がらないかもしれませんが

1日1回くらいは、そんな記事もいいかもしれないですね〜。情緒的な日記記事。

今読んでいる「つれづれノート」

最新の「つれづれノート」

4月25日に発売されたばかり。

最初から読みたい方はこちら。

1991年か~。もう、15年以上も前。

この記事を書いた人

えむた あかね

名古屋でライターと編集者をしながら、新しい働き方や暮らし方を探し求めるアラフォーです。
趣味は旅、酒、サウナ。
こちらのブログは、ただの個人の感想やマニアックでリアルな情報を中心にゆるく書いています。
仕事には一切関係ないので、あえてまったく磨いていない状態で出す文章をどうぞ。