私が外注先との付き合い方で心がけていることを、自戒を込めて綴っておきます。

たまには、シリアスな話でも。

基本、私は「下請けのプロ」としての仕事がほとんどなのですが、
自分が編集担当をしている取材ものに関しては自分でまわりきれないものもあるので、
フリーランスのライターさんやデザイナーさん、カメラマンさんたちにかなり助けてもらっています。

お願いしている方は40代~50代がメイン。私の仕事なんてなくてもバリバリ稼いでいらっしゃる格上のベテランばかりです。

あかね
仕事がなくて困っているわけではない人なんだから、「仕事をあげてる」ではなくて「仕事をお願いしている」という感覚です。

外注費としては20%くらい。今期は30%~40%くらいに増えるのではないかとふんでいます。

あかね
先日、200万を超える外注費を一括で払って、私も大人になったなあとしみじみ感じました。ひとり法人なので、身銭感半端ないです。ほんと、リスクとの戦い!

つまり、仕事をもらう立場も、お願いする立場も両方経験しているということです。
双方の立場を経験すると、いろいろ見えてきます。

あかね
見たくないものまで見えてくる。これまで気にならなかったことが気になってくる。全力で歳を重ねるってそういうこと。

ふと、人に仕事をお願いするときの、自分の考えをまとめてみようと思ったのです。自戒をこめて。

前提として、自分ができないことを頼んでいるのだから、第一に感謝。

その仕事、なんで人に頼んだの?

・・・自分ではできないからです!

能力的にできないから、時間的にできないから、「できない」の理由はさまざまです。

できないことを、してくださる。
もし、私ができないことを自分でしようとしたら、
クオリティが下がるかもしれない、すごく時間がかかって納期に間に合わないかもしれない、すごく時間がかかって寝る時間がなくなるかもしれない。

でも、人に頼めば、きちんと形になる。
それってすごくありがたくないですか?

いいものを納品してもらうためには?

いいものじゃなかったら、怒る?
いいもの作れよ、と制圧する?

いや、「楽しく仕事をしてもらう」に限ります。
機械ではないので、

とにかく、モチベーションを下げないこと、が大切です。
人のモチベーションを下げて、いいことなんて一つもないです。

自分もモチベーションを下げられた経験もありますし
人のモチベーションを下げてしまったなあという経験もあります。

法外に低いギャラは嫌ですけど、一定のギャラを超えていれば
あとは「気持ちよく仕事ができる」ほうがやる気が出る、というのが本音です。

気持ちよく仕事ができれば、いろんな配慮や工夫が生まれます。
言われたこと以上の何かがでてくるというものです。

なにか業務範囲外で緊急に対応しないといけないときも、
嫌な雰囲気の仕事なら、
「あ、今無理です」と、ピシャリと言われかねないですからね。
あくまでも、追加作業の場合ですが。

仕事をお願いされる側とて、お金をもらうからとて、
人間です!機械ではないことは、常に頭においておかないといけないです。
逆に、機械ではないから、本当に良い関係を築いていれば
融通をきかせて、どうにかしてくれるという面もあります。

「趣旨と違う!」と思ったときは?

正直あります。

「趣旨とちがう・・・・・」「あれが抜けている・・・・・」「わ~こうじゃないんだよ・・・・」

私は、そこで一方的に「違うじゃないか!」とは言いません。
まず、何が原因でそうなってしまったか考えます。

「伝え方は間違ってなかったか?」を振り返るんです。

「この人はこう誤解してしまったのは、自分がこう言ったからだ」
「わかっているだろうと思い込んで、説明を怠ってしまったからだ」
「渡している資料に不備があったからだ」

あかね
たどってみると、8割方自分が悪い気がするんですよね~ははは。私だからかなあ?

とかいって、「この人、理解力悪いなあ」と、ムカついたりもしますけどね。相手の理解力に合わせて話せない時点で、自分も悪いと思えば、そこまでイヤな言葉は出てきません。陰でグチるくらいです。笑 本人に言っても、誰も得しません。

「なんでみんな毎回間違えるの?」と思うときは?

私、死ぬほど細かくて複雑なレギュレーションの媒体を2本外注しながら回しておりまして、

ほんと、なんで間違えるの?何回同じ企画やってるの?

って思うことあります。(コラ)
けど、自分で同じことをしても、多分間違える自信があるので(コラ)
これは間違えない方法を考えるべきだな、と思っております。

間違うのって、気合や注意でどうにもならないと思うのが持論。
毎回毎回、注意でどうにかなる、いつか覚えてもらえるなんて思わず、
間違わない仕組みを整えたほうが早いような気がしています。

仕事です、プロです。間違おうとして間違っている人はいないので、
それでも間違いが多発するということは、根本にやりにくい原因がある・・・はずです。

「これは手抜きではないか」と感じたときは?

「手抜きすんじゃねえ」と思うこと、ありますありますあります!

納品されたものを見ると、たまに感じます。
先日、ある人に「手抜きしないで」と言って、ふと我に返りました。(コラ)
「手抜き」とは一体どんな現象なのでしょうか?

「配慮が見られない」ということだと思います。
仕事に対する「配慮」というものは、経験値のかたまりではないかと。
どこに気をつけて原稿を書けばいいのか、
それは長いこと仕事をしていくうちに、見つけるものなのかもしれません。
「配慮」は精神論ではなく、技術なのです。

っていっても、人によってなにを「配慮」と捉えるかなんて、さまざま。
そこで、気をつけるポイントをあらかじめ伝えるということは大切なのかもしれない、と感じました。
「クライアントがここを気にするので、ここだけ気をつけてもらえませんか」と伝えるのもいいかも、と思っています。
あと、配慮のレベルに合わせて仕事をお願いする人を決めるとか。

それでも、気をつけてほしいことがあるときは?

そこに感情を乗せずに事実を伝えます。
伝えるべき事実を遠慮して隠すなんてことは逆に失礼だと思うのでしませんが、
嫌なことを言わないといけないときは、最大限に気遣います。

あかね
逆に、自分が発注を受けているとき、先方の担当者に対して「この人絶対怒ってるだろうけど、すごく丁寧に気遣いながら言ってくれるなあ」と感じることもあります。そういうとき、反省は10倍。「ご指摘していただいて、お手数おかけしました。気をつけます」と忠誠心も深まります・・・(そう、単純なんです)ありがたいことに、そういう取引先の方とたくさん関わらせていただいているので、自分もそうならないとなあと常に思っています。

私が気をつけていることは、このくらいです。

まあ、みなさん想像できるかと思いますが、

常に「本当にすみません!どうにか!どうにかああああああ!」と仕事をお願いしております(コラ)

あかね
若い頃は、自分の悪いところを棚に上げて、下請けの人にめちゃくちゃ怒りまくって雰囲気悪くして、やる気なくさせて、ミスられて、あとから恨まれて・・・てなこともあったなあ。今はそういう失敗を胸に、考え方を改めました。自分のあやまりに、30代で気づけてよかった。なんとなく、人生が豊かになった気がします。

私、最近本当に感じるんですけど、現在の日本ではお金がなくなって餓死する可能性って低いんです。
でも、過労死や鬱で死んでしまう可能性って、誰にでもある。
となると、働く理由って、お金じゃなくなっていると思うんですよ。

これからもっとそういう雰囲気になるんじゃないかと。
お金で釣る時代は終わりかな!釣られる時代も終わり!

この記事を書いた人

えむた あかね

名古屋でライターと編集者をしながら、新しい働き方や暮らし方を探し求めるアラフォーです。
趣味は旅、酒、サウナ。
こちらのブログは、ただの個人の感想やマニアックでリアルな情報を中心にゆるく書いています。
仕事には一切関係ないので、あえてまったく磨いていない状態で出す文章をどうぞ。